一秀くんの同級生のブログ

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ドラマに見る痴漢えん罪

昨夜、ドラマ「佐々木夫妻の仁義なき戦い」を見た。ふだんドラマはほとんど見ないのだが、弁護士夫婦の片割れの夫が覚えのない痴漢で捕まる話だというので、どんな対処をするのか興味深いと思い見てみた。
この回のタイトルが「えっチカン!?それでもぼくはやってない」となっていることからもわかるように、周防監督の影響が伺われ、映画「それでもボクはやってない」で描かれた事実がこのドラマの中でも随所に出てきた。
日本の刑事裁判では有罪率が99.9%であり、起訴されると必ず有罪にされることが、弁護を担当する妻のセリフになっていた。
「有罪になるように、なるように、ベルトコンベアに載せて行くんだから。基本的には刑事裁判は無罪なんて有り得ないようにできてるの!」

チカンはしていないという夫の言葉を妻は信じるが、それでも罪を認めて示談にした方が良いと意見する。そうすれば初犯なので弁護士資格が剥奪されることはなく、3ヶ月間の業務停止で済むからと。
3ヶ月の業務停止の方が、容疑を否認して裁判で戦うよりもダメージが少ないと考えるのは、頭の良い女性弁護士の合理的な判断だし現実に即していると思った。
また、チカン容疑をかけられた夫の弁護士は、骨の折れるわりには儲からない仕事をたくさん引き受けている正義感の強い弁護士で、更に潔癖で融通のきかないキャラだから、やってもいないチカンをしたと、形だけでも認めることはプライドが許さないという人物設定もよくわかった。

留置場で非人間的な扱いを受けることが、係官にパンツの中を覗かれるシーンで表現されていたり、取り調べでは刑事が容疑者の説明を聞く耳持たないところとか、目撃者探しのビラ配りをするシーンは、かなりコミカルに描かれていたが映画と同じだと思った。
大きく違うところは、目撃者を事務所に呼んで、被告人の夫が法廷での答え方をレクチャーするシーンだ。この部分はドラマの方が事実に即していないのだろうと思う。
植草さんの場合は目撃者と個人的に接触することは一切許されていない。

このストーリーは結局、被害者の逆恨みによるでっち上げだと判明して解決する。少し前に見たドラマでも、女性が恨む相手を新聞沙汰にして苦しめる目的で、チカンに仕立て上げるストーリーがあった。
実際は女性の悪意によって犯人にされるケースもあれば、女性に悪意はなくても人違いによって犯人にされてしまうこともある。どちらの場合も、警察は女性の話を全面的に信じて容疑者の訴えはまったく聞いてくれないし、裁判所にも正しい裁きをする力がなく、多くのえん罪被害者が生じているのが現実だ。
そういう現実がドラマを通じて広まることにより、えん罪被害者の苦しみが少しでも世の中の人にわかってもらえたらよいと思う。
こういうドラマが堂々と作られるようになったということは、「チカンえん罪」が世の中に浸透したということだろう。無実を訴える人に対する「チカンは犯罪だ」とか、「やってないと主張することは被害者に対する侮辱だ」という意見はもはや陳腐であり、当局側のプロパガンダとしか思えない。

最近、チカンで誰かが捕まったというニュースを聞くとすぐに「冤罪でなければいいな」という思いが頭をよぎるようになった。「容疑を認めている」という警察発表も報道もまったく信用ならないことは、植草さんの事件・その他で学習した。
また、チカンに限らず未解決事件の報道を聞く度に、早く犯人を捕まえて欲しいと思うのは以前と同じだが、同時に間違った犯人を捕まえないで欲しいと願うようにもなった。
凶悪事件の時効が成立したという報道を耳にする時、残念だと思うと同時に「無実の人が捕まらなくてよかった」とも思うようになった。
無実の人がえん罪で苦しむ社会はイヤだ。
by hirarin-601 | 2008-02-11 17:06 | 痴漢冤罪